大阪同友会かんくう支部3月は株式会社Pleasant placeと株式会社Pasah代表の籔井社長に創業期から現在の挑戦についてのお話をしていただきました。
特にコロナ禍による経営環境の激変の中で得られたものは何だったのか、存分に語っていただきました。
居酒屋のアルバイトから飲食業界へと飛び込んだ籔井智一社長は、1日300人が来店する大人気店で毎日熱狂と充実感の中で飲食業の面白さとお客様の笑顔に接する喜びを感じながら、料理人としての道を歩みだします。料亭での修行やひょんなことから海外での修業時代を経て、高級寝台列車の副料理長に。かつての仲間とともに立ち上げた居酒屋「海ごこち」を開業。地域の超人気店に!
しかし、挑戦と成功を繰り返す人生の中で起こったコロナ禍は、籔井さんをもってしても乗り越えることが困難な事態に陥りました。
どれだけ策を打っても日に日に落ちる客足と従業員のモチベーション。熱狂を共にした仲間たちとも決定的な溝が生まれます。それでも前を向かなければいけない。経営者としての自分自身を見つめ直すことになります。
そんな中、たった一つの光明が見えます。数年前から始めていた「はにわプリン」の存在です。ここから籔井さんの飲食業から食品「製造業」への業態転換という賭けにでます。必死に模索する中、新しい仲間が現れます。そして自分の中の大切な思いを経営理念という形にして、新たな事業計画を進めます。
はにわプリンを基軸とした製造業への転換は、SNSなどを組み合わせたマーケティング手法により功を奏し、大阪のみならず全国でも反響を生み出すヒット商品となりました。
その裏には、押し寄せる課題から逃げずに、料理人としてこれまで築いてきた自分の誇りと、会社や大切な人たちをを守るという葛藤の中で生まれた経営理念がありました。
~出会えて良かった~
様々な思いが詰まったこの言葉を胸に新しい一歩を踏み出しています。
籔井社長は昨年度、事業再構築補助金に採択され新工場の立ち上げを行い、新会社株式会社Pasahとして新たな船出を切っています。そして新たな仲間たちとともに奮闘の毎日を過ごしています。
籔井さんの報告を聞いて外部環境の急激な変化において、大切なことは3つあると気づきました。
1つは事業の柱を持っておくこと。株式会社Pleasant placeは飲食業だけでなくはにわプリン事業を軸に次の展望が産まれました。予想もしない事が起きた時のために、普段から種まきをしておくことが大切と気づきました。
2つ目は助けてくれる仲間の存在があったということです。料理人としての腕を磨くこと=繁盛店を築いてきた過去から、初めての経営理念、事業計画、マーケティングなど「経営者」としての成長を実現していきました。この成長の陰には、同友会をはじめとする周りの仲間たちの存在がとても大きいと感じました。自分一人では出来ない事も周りを頼ることが出来る。普段からの仲間づくりが我々中小企業には欠かせないということに気づきました。
最後に事業計画や新しい事業はもちろんですが、それを実行する経営者としての「覚悟」です。自分が築いてきたアイデンティティとなる事業を転換するためには、この覚悟なしには到底なしえないことだと思います。業界は違えど全ての経営者にこの「覚悟」は大切にするべきことではないでしょうか。その真剣な思いが周りを動かし、事業を動かし、仲間が集まる原動力になるのだと学びました!
まだまだ困難は待ち受けているかもしれませんが、経営者として進化し続ける籔井さんの活躍と勇気ある報告にとても感銘をうける例会報告でした。これからの籔井社長の更なる活躍を乞うご期待です!
大阪府中小企業家同友会かんくう支部は、大阪府の中でも堺市から以南の和泉市、岸和田市、泉大津市から泉南市、泉佐野市、岬町までの地域の経営者がいい会社、いい経営者、いい経営環境(地域や業界を良くする)を創ることを目指して学び合う経営者の勉強会です。報告者を突き動かした本音やリアルを知ることは、自社の経営について置き換えて考えやすく学びになります。経営者の魅力が伝わる例会づくりを目指して、支部会員の自主性によって運営されている同友会の例会に、ぜひ興味がある方はご参加ください!
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